自閉症児のピアノレッスン。今まで教えて来た生徒たちのレベルはかなり高く、特に今教えている生徒は、小学校高学年になってピアノをスタートしたにもかかわらず、既にソナタを弾いています。

私がピアノを見るまではエレクトーンを習っていましたが、それが尾を引き、ピアノの音を出すタッチになるまでにずいぶん時間がかかりましたが、小品を多く弾く中で一つずつクリアしていきました。左手がまともな音で弾けるようになったのはこの2年くらいでしょうか。別の生徒も、ママがピアノ科を卒業した専門家だったので、私のところに来た時はある程度弾けました。

初心からスタートの子は、先ずピアノの椅子に座ることからです。グニャッとした自閉症児は姿勢を正しくすることに苦労をし、多動的な自閉症児は同じ姿勢を保つことに困難を感じます。

この苦労が実った時にレッスンのスタートとなるわけですが、自閉症児にピアノを教える困難は、教えようとしたり間違った箇所を指摘すると、攻撃されたと思い、厳しい混乱状態となります。反対に楽な面は、絶対音感を持っている子が多いので、言語的に理解できなくても、私が弾くとそれを同じ音でコピーすることができます。そこから人の心の表現の仕方を教えて行くと、他所との関係を構築していくことが可能となります。そして何よりよく練習してきます。決められたことを毎日やることに違和感を持たない彼らは、練習を厭いません。

このような持って生まれた長所をうまく導くことができれば、混乱がなくなり自閉症特有の体内リズムに変化が生じてきます。ピアノが弾けるといいことは、練習をする時間が必要ですから、余暇に時間を持て余すということが少なくなり、なんといっても練習すれば曲が仕上がり、1曲1曲で小さな達成感を味わうことができて自信に繋がります。

苦しみの後には喜びがある。これは何をやるにも言えることで、ピアノを練習する中でそのことを経験をし乗り越えて行ってくれたらといいな思っています。