幼少期の思い出は常にピアノと共にです。島根県の片田舎出身の私は、幼稚園時に既にピアノを弾いていましたが、親が苦労したのは田舎でピアノの先生がいなかったことです。当時確か米子まで出かけてレッスンを受けていました。その後小学3年生から、神戸の先生のもとに月2度レッスンに通い始めました。

その頃はほとんどの子と同じく、ピアノを練習しなければという自覚はゼロで、いかに親の目をごまかして練習をサボるかだけを考えていました。私がすぐ逃亡していなくなるので、玄関は施錠され、母の怒鳴り声が聞こえぬよう窓は全て閉められていました。

そんな閉塞的な練習の合間の憩いの場は、裏庭に生えていた大きなミカンの木でした。実のない時期には枝に縄を取り付けブランコを作って遊んだし、親の目を盗んで木登りをしていました。その大きな大きなミカンの木は多くの実がなり、家族でミカン狩りをして楽しみました。

ミカンの木をここ新宿区の家に植えたのも、そんな幼少期の思い出からでしょうか。小さな植木鉢でいただいたミカンの木を地植えにして大きく育てました。育てたというより勝手に大きくなっていきました。

家に植わったミカンの木を見ては、幼少期にさぼっていつも母に怒られていたことを、懐かしく思い出します。