日経新聞の私の履歴書10月は、ヴァイオリニストの前橋汀子さんでした。

とても面白く読み、あっと言う間の1ヵ月でした。

当時のソ連留学はナホトカから船に乗ってとは聞いていましたが、実際に経験した方のお話しから、相当大変だったんですね。しかも潮田益子さんと一緒に行ったというのを初めて知りました。

学校の先輩のお名前が多く出てきたのも興味深かったですが、何と言ってもあれだけの才能の持ち主の方が母上に、「そんなに練習しないのならヴァイオリンを捨ててしまいます!」などと怒られたなんて言うのも驚きました。私が子どもの頃にさんざん母親に言われていたセリフです。

年齢を重ねると、小曲の演奏に心が魅かれたというのも納得できました。小曲しか弾けない人と違い、チャイコフスキーのコンチェルトを始め、大きな曲を演奏してきた人の言葉として、きっと全てを削ぎ落した心の声が、ヴァイオリンの音で表現されているのでしょう。

ピアニストの中村紘子さんと双璧の美しい演奏者として、男性ファンから愛されているヴァイオリニストです。